スタンフォード式最高のリーダーシップ①
どーもまつまつです!
今日の本の紹介は
スティーヴン・マーフィ重松氏の
スタンフォード式最高のリーダーシップ
です。
この本は前から気になっていて
やっと購入することができた本です。
冒頭に出てくる「We are the Leaders」の言葉が印象的であり、私たち一人一人にリーダーになる能力があり、そうなるべきだ。とスティーヴン氏は言っています。
そして、このリーダーとしての基盤を心理学的な根拠のあるリーダーシップ論を展開していかれます。
まずは、少しこの本で紹介されている「理想のリーダーシップ」について紹介したいと思います。
この本の中での理想的なリーダーとは「アサーティブリーダー」と言われており、
自分自身を尊重し、人を否定することなく、自分とチームの利益のために行動できるリーダー
としています。その強みとして
・自信、自尊感情があり、「息の長いリーダーシップ」が発揮できる
・聞く耳を持ち、「信頼」される
・自分の意見やアイデアを、しっかりと「主張」できる
・「誠実」である
・人を「責めない」
・「責任感」がある
・「チームに必要とされている」と感じられる
・「難しいメンバー」ともやっていける
・「何を期待しているか」を理解し、実行できる
をこの本では挙げています。
そして、アサーティブとは、「アグレッシブ(積極型)とパッシブ(受動型)の中間でバランスが取れている状態」であり、アグレッシブとパッシブの両者ともの強みを抽出した状態とも言っています。
そのリーダーとして必要な要素が、オーセンティックリーダーシップ、サーバントリーダーシップ、トランスフォーマティブリーダーシップ、クロスボーダーリーダーシップと言われています。
オーセンティックリーダーシップ
この本ではオーセンティックである定義としては
・「本当の自己(感情、考え)」を知る
・「本当の自己」を積極的に、包み隠さず表現できるようになる
・自分の人生の創造者として、「自分の人生のリーダー」になる
・「信念」に基づいて行動する
・人から信頼され、頼りにされる
としています。つまり、自己を知り、ありのままの飾らない姿として定義されています。
そして、そのリーダーシップを磨く方法として心理学の知見をもとに
1、「弱さ」を認める
2、「役割性格」を超える
3、「人」と比べない
4、自分の「生涯の大きな目的」を見つける
5、「超・集中状態」になる
ことが挙げられています。
そして、日常的に「言っていること」と「やっていること」つまり、言動を一致させること、「時間」を守ることを習慣にして、メンバーに対して「誠実」に接することだとこの本では言っています。
この本では、部下の力を引き出して、背中を押す力。人に奉仕し、その人の中から最高の能力を発揮することと定義されています。
このサーバントリーダーシップの考えは古来より言われていることで、
新約聖書で「弟子の中で誰が一番偉いか」争っている弟子たちをみてイエスが、
あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。あなたの間でいちばん上になりたいと思う者は、みなのしもべになりなさい
と書いてあると言っていますし、
中国の思想家・老子は
人の上に立とうと思うなら、謙虚な気持ちでへりくだりなさい
と言っています。このように古来から、リーダーとは「背中を押す人」なのです
そのためにはどうすればいいかというと
・自ら「弱さを認める勇気」を持つこと
・弱さを含めた部下の姿を知ること
・部下に本音を言えるような「環境作り」
・Ask,don’t tell(語るのではなく、質問せよ)
・部下に仕事を「任せる」ただし、丸投げではなく、少し手伝えばできるぐらいの課題であること
・部下の「成果」を横取りしない
・前に出るときは「悪い結果」が出たときの責任をとるとき
などが挙げられています。
トランスフォーマティブリーダーシップ
トランフォーマティブリーダーシップとは、自分にも、そして他者にも「変容」をもたらす力とこの本では言っています。
このことはかの進化論で知られているチャールズ・ダーウィンの言葉でも表されていて、
この世に生き残るのは、力のある者ではなく、知識を持つ者でもなく、変化できる者だ
と言っています。
そのための方法としてこの本では
・リーダー自ら「変わり」、メンバーに自ら「変わろう」と主体性を持つようにさせること
・人は「環境」によっても変わることができるつまり、「役割が人を育てる」こともある
・リーダーが「外側」から「変える」のではなく、本人が自ら「変わる」とうに仕向ける
・メンバーの「個人的な目的」と「全体の大きな目的の一部」に変化させ、自発的にモチベーションを引き出す
・「3つのストーリー」でモチベーションを引き出す
1、「自分」の物語:リーダーが一人の人間として自分を語る
2、「私たち」の物語:チームの課題の克服や目的を語る
3、「今」の物語:チームの価値観を共有し、「今」の問題を明確にする
・「フィードバック」を行う。この時に「いい・悪い」や「正論」だけでしない、お互いに行う、相手のためになるものであること
が挙げられています。
クロスボーダーリーダーシップ
この本では境界線(ボーダー)を「壁」と定義して、人と人との間にある「壁」を越えて、違いを持つ人々がお互いの違いを尊重しながら働ける環境を作っていこうとする、持続可能なチーム・リーディングこそがクロスボーダー・リーダーシップであると言っています。
「多様性(ダイバーシティ)」という言葉は日本でも定着してきてはいますが、実際問題、人と人との間には様々な「違い」があり、そこから「壁」が生まれてしまいます。しかし、「壁」自体は悪いものではなく、壁自体は自分を形づくる大切なものでもあります。
ここでクロスボーダー・リーダーシップの第一歩としてこの本では、「壁の存在を認めること」。つまり、「人間は違う」「人間には壁がある」という事実をしっかりと認識することだと言っています。
しかし、「壁」の中には、個性。その人らしさを作るような「良い壁」や逆に他者との交流を断絶するような「悪い壁」もあることを認識になくてはいけません。
この本では「良い・悪い」は別として人間一個人が持つ壁として3つに分類をしています。
1、「文化・慣習」の壁
国籍や人種が違えば、文化・慣習が違う。挨拶などでも自分の「当たり前」が相手にとっては 「当たり前じゃない」ことはいくらでもある。日本人同士でも生まれ育った家庭環境で文化や慣習は異なり、地域差もある。
ここで、「自分の文化や慣習がベストで正しい」と思ってしまうとたちまち「悪い壁」になってしまう。反対に双方に背景があることを認めれば、それは多様性を尊重する「良い壁」になります。
2、「行動様式」の壁
ビジネスごとに「常識」は違う。この違いを拒絶し、自分のやり方にこだわっていると、チャンスの幅が狭くなってしまいます。
3、「前例」の壁
「こうあらねばならない」という思い込みで、「前例や常識」を意識しすぎるところから生まれます。そうすると壁の内側で行動してしまい、成長できなくなります。
また、ビジネスの現場で 「チームを断絶してしまう壁」として挙げられているのが、
1、「パワー」の壁
リーダーが力を持ちすぎていて、重要なことは自分が決めると振る舞ってしまうと部下との間にはとんでもなく高い「パワーの壁」ができてしまいます。これがあまりにも高い壁になるとコミュニケーションは断絶されてしまいます。
しかし、リーダーには説明責任、チームを導く責任があります。なので、馴れ合いにはならず、リーダーという役割を果たすために、お互いを隔てる「ある程度の高さの壁」は必要であるとこの本では言っています。
2、「男女」の壁
実際いまだに男女の壁は高いです。その背景には「女はこういうもの」 「男はこういうもの」という偏見・バイアスがあります。
性の差は確かにありますが、男と女である前に同じ人間であることを忘れずにいることが重要であると言っています。
3、「世代・年齢」の壁
年功序列制度は消えつつあるといっても、二千続いた儒教の伝統もあり、そう簡単に「年齢の壁」は消えません。
「年上はこうだ」「年下はこうだ」とお互いが偏見を抱いていたら、年齢の壁は「悪い壁」になってしまいます。
4、「ステレオタイプ」の壁
上の3つは他者との間にそびえ立つ「悪い壁」であるとすれば、4つ目の「ステレオタイプの壁」は自分の周りに勝手に壁を作ってしまう壁だとこの本では言っています。
自分をステレオタイプの壁に閉じ込めた人は、十分に能力が発揮できないことが研究でわかっています。
様々な 「壁」を上で紹介しましたが、リーダーとしてやるべきことは、多様性という「個人の壁」を生かしていくことだとこの本では言っています。つまり、「壁」をマネジメントするということです。
ある研究によれば、人が幸福や成功を手に入れるには、他の人との関係が重要であり、誰でも「尊敬されたい、感謝されたい」と願っています。
そのためには今までで紹介した、適切なコミュニケーションやフィードバックを使って、上司と部下、チームのメンバー同士の間にいいつながりを作っていくことが大事であるとこの本では言っています。
そうすることで、個人を形づくる「良い壁」は尊重しつつ、コミュニケーションを分断するような、高すぎる 「悪い壁」は無くしていけると言っています。
リーダーシップの内容がかなりいってしまったので、本を読んで気づいた点は
次回に回しますね。