まつまつの徒然日記

どーもまつまつです。 一児の父として日々理学療法士として奮闘中です! 日々の記録やアウトプットとしてブログ始めてみました! 興味のあること ・理学療法について ・育児について ・読書について 色々更新していこうと思います! 最近の読書では(習慣化、読書法、マインドフルネス)の本を中心に読んでいます。 またオススメの本があれば教えてください!!!

データ分析で探る!!「家族の幸せ」の経済学(後半)

どーもまつまつです!!!

 

今日の本の紹介は

山口慎太郎氏の

「家族の幸せ」の経済学

 

です!!!

 

 

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)
 

 

目次

 

 

 

本の構成

この本の構成は

第1章 結婚の経済学  第2章 赤ちゃんの経済学  第3章 育休の経済学

第4章 イクメンの経済学  第5章 保育園の経済学  第6章 離婚の経済学

の構成になっています

 

この本は前半後半に分けて紹介していきたいと思います!!!

 

前半の記事

 

mezasematsu.hatenablog.com

 

 

後半での気づき

育休は伝染する

今日男性の育休取得率は増加傾向にあり、1990年代後半、の父親の育休取得率は1%にも満たなかったのが、徐々に増え、2017年には5%にものぼります。しかし、世界的に見ると北欧諸国では、男性の育休所得率が70〜80%にものぼることに比べると、まだまだ、日本の育休所得率は低いと言わざるを得ません。

 

しかし、男性の育休の制度面でみると、父親が制度上認められている育休期間は52週と世界第2位であり(1位は韓国)、給付金の割合は60%近くと、北欧諸国に並ぶ水準です。この育休の週数×給付金額で育休を評価すると、OECDEUに加盟している41カ国中、堂々の1位となるような評価をユニセフから得ています。

 

ここからいかに、日本の男性の育休取得が制度上は優れているのに、取得が少ないかが伺われます。

 

では、北欧での男性の育休取得率はどのようにして上昇していったのでしょうか?この本ではノルウェーの男性の育休取得率を例に取り上げています。

 

実際ノルウェーでも男性の育休取得率は低いものでした。しかし、1993年に法律で定められた育休のうち、4週を父親だけに割当て、給付金も給料と同額払われるような制度ができました。

 

それにより、ノルウェーの父親の育休取得率は5%から35%までに跳ね上がります。しかし、ノルウェー政府からすれば、その数字は不十分なものであり、1995年の政府白書では、その育休所得が進まない理由を「父親たちは、会社や同僚から仕事に専念していないと見られることを心配しており、職場のこれまでのやり方と違ったことをすることに対する不安を抱いている」と分析しています。

 

これは、日本の父親たちが抱えている悩みを一致するのではないでしょうか?同じ悩みを抱えながら、どのようにして、ノルウェーでは男性の育休取得率が2006年の時点で70%にものぼったのでしょうか?

 

ノルウェーでの研究では、そのプロセスを詳しく調べ、注目したのが「同僚や兄弟といった近しい人が育休を取ったことが、父親の育休取得に及ぼす影響でした。」

 

ある調査では、同僚あるいは兄弟に、育休を取ったことがある人がいた場合、育休取得率が11〜15%ポイント上昇したことがわかりました。

 

また、会社の上司が育休を取った時の部下に与える影響は同僚同士の影響よりも2、5倍も強いことがわかっています。

 

このことからわかることは、周りの目を気にしながら「勇気ある」父親が育休を取得し、彼らが不利に扱われないことを目にした同僚たちがそれに続く、といったメカニズムが働くようです。

 

こうした育休の連鎖とでも呼ぶべきプロセスを通じて、ノルウェーでは2006年には父親の育休取得率が70%に達しました。

 

男性の育休取得で夫婦仲は良くなる!?

父親が育休をとることで、育児負担が大きな生後間もない時期を、夫婦で協力して乗り越えることを期待する母親たちも多いと思います。では実際のところ、父親の育休取得が、その後の夫婦の離婚を減らすのでしょうか?

 

アイルランドの研究では、父親だけが取れる育休を2001年に導入しました。研究者たちはここに注目し、この制度変更直前に子供が生まれた夫婦と、制度変更直後に生まれた夫婦の間で離婚率が異なるかどうかを調べました。

 

その結果、制度変更直前に子供が生まれた夫婦は、出産5年後時点での離婚率が23%だったのに対して、制度変更直後に子供が生まれた夫婦は離婚率が17%にとどまりました。出産10年後時点で見ても、33%から29%に下がっています。この結果は、育休改革にともなう父親の育休取得が、夫婦関係の安定につながったことを示しています。

 

父親が育休を取ることにより、母親だけが育児に関わるのではなく、夫婦ともに関わることで不満をやわらげ、夫婦関係を良いものにすることにつながることがわかりました。

 

しかし、スウェーデンの調査の結果では、離婚率が上昇したことがわかっています。育休改革前後での出産3年以内に離婚する確率が、12%が13%と高くなっていることがわかっています。一方で5年以内での離婚率は変わっていません。

 

このことから5年以内に離婚するはずであった夫婦が離婚を3年以内に前倒しになってことがわかります。

 

その要因として、研究者たちは父親が育休を取ることで、夫婦でいる時間が多くなり、実はお互いに相性が良くなかったことに気づいたり、父親が育児に関わることが、父親にとって大きなストレスになったこと、家計所得が減ったことが考えられます。

 

児童保育は知能より、軋轢を生む問題行動を減らす効果がある

 近年、保育園・幼稚園で行われる幼児教育が、世界中で注目を集めています。これまでの研究によると、幼児教育は、子どもの知能指数に限らず、意欲、忍耐力、協調性を含む、社会情緒的能力と呼ばれるものを改善し、子どもの人生に大きな影響を及ぼすことが明らかになっています。

 

幼児教育の効果としては、まず、「知能」に関してです。幼児教育のあるなしでは、5歳時点での知能指数、学力テストの点数は軒並み上がっています。しかし、知能指数に与える影響は8歳にもなればほぼ消えているという結果も出ています。この結果は様々な研究でも表れており、やはり、勉強はやり続けなければ、頭の良さは早晩衰えてしまうので、人間一生勉強というのは真理なのかもしれません。

 

しかし、40歳まで追跡調査を行うと、幼児教育は将来の高校卒業率を引き上げ、大人になってから仕事に就いている確率を上げ、所得を増やすというデータもあります。さらに、生活保護受給率を下げ、警察に逮捕される回数を減らすなど、社会生活面で大きな効果を上げたことがわかります。

 

このことから、幼児教育の知能に関する効果は短期的であはあるかもしれませんが、長期的にみると、非認知能力、社会的情緒能力と呼ばれるものにその成功の鍵があるのかもしれません。

 

具体的にいうと、周囲の人との間で軋轢を生じさせる問題行動が減らせるようになったことになるのではないでしょうか。

 

このことから考えると、幼児教育を行うメリットは生涯所得が増えるという、個人的なメリットだけでなく、犯罪件数の減少などの社会全体に及ぼす影響もあるということが言えます。

 

保育園通いは親も育てる

では保育園に通うことは子どもの発達にとってどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 

この本では筆者自身が行われた調査結果をもとにその効果が検証されています。その研究結果では、子どもの家庭環境にもよりますが、言語発達に関しては、どのよう家庭環境でも発達し、多動性・攻撃性に関してもどの家庭でも改善していのですが、特定の家庭環境(母親が高卒未満の環境)での改善が著しいという研究結果が出ています。

 

そしてこの研究では、保育園に入れたことによる母親のしつけの質、ストレス、幸福度に関してもデータ分析を行っています。

 

このデータ分析からもある特定の家庭(母親が高卒未満)でのしつけの質の向上、ストレスの低下、幸福度の向上などの効果がわかっています。

 

その要因として、筆者は子どもを保育園に預けることで、

1、24時間子どもを見ないといけないストレスが軽減したこと

 

2、外で働くことで、収入が増加したこと

 

3、そうすることで母親の精神面が安定し、母子関係が良好になり、子どもを叩いてしまうなどの好ましくない行動を取らないようになったこと

 

4、保育士などの他の人の目に触れることで、体罰や虐待などの抑止力になったこと 

を挙げています。

 

このように、保育園に子どもを預けることは、子どもの行動的な問題を減らせることだけでなく、母親の精神面としてもプラスであり、「家族の幸せ」にとっても大きなプラスであることが言えます。 

 

「離婚率」の正しい見方

巷で離婚に関してこの言葉を良く耳にするのではないでしょうか?

 

「夫婦の3組に1組は離婚する」 

 

果たしてこの言葉は真実なのでしょうか?

 

結婚している人1000人あたりの離婚件数でみると、1990年には1000人あたり、離婚が8、1件だったのに対して、2015年時点では16、7件と大きく増えてはいますが、「3組に1組」の計算には程遠い件数です。

 

ではこの「3組に1組」はどのような計算で、表されているのでしょうか?それはその年の「離婚件数÷結婚件数」であわらした時に出てくる数字なのです。

 

この数字はこの年の離婚・結婚の件数を扱っているので、結婚した夫婦は今年ですが、離婚した夫婦が結婚したのは過去になります。毎年ある一定の結婚件数、離婚件数で推移していくならば問題がないのですが、近年結婚件数は減少傾向にあり、離婚件数は上記の通り、増加傾向にあります。

 

こうすると自ずとその年の「離婚件数÷結婚件数」の割合は大きくなっていきます。

 

このように良く目にする数字でも、その数字の根拠や定義は何なのかをしっかりと見極め、数字に惑わされないようにすることが大事ですね。

 

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)