データ分析で探る!!「家族の幸せ」の経済学(前半)
どーもまつまつです!!!
今日の本の紹介は
山口慎太郎氏の
「家族の幸せ」の経済学
です!!!
「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)
- 作者: 山口慎太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2019/07/17
- メディア: 新書
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はじめに
みなさん子育てに関してこんな事聞いたことありませんか?
「帝王切開で生まれた子は落ち着きがない」
「赤ちゃんには母乳が一番」
「3歳までは母親がつきっきりで子育てすべき」
直接言われたことないですが、現代も上のことのような雰囲気が漂っていますし上のことをもし人に言われたら「ほっといてくれ!無責任な!」と憤ってしまいそうな気もします。
現代では、様々なデータの分析により、結婚、出産、子育てのことで研究がなされています。上であげたことは真実なのかそれとも神話的なのかこの本ではデータの分析をもとに、「家族の幸せ」の真実を紐解こうとしています。
本の構成
この本の構成は
第1章 結婚の経済学 第2章 赤ちゃんの経済学 第3章 育休の経済学
第4章 イクメンの経済学 第5章 保育園の経済学 第6章 離婚の経済学
の構成になっています
この本は前半後半に分けて紹介していきたいと思います!!!
前半での気づき
結婚が持つメリット
現代では、男性の5人に1人、女性の10人に1人は50歳時点で未婚であり、1950年の50歳未満の非婚率は1.5%であることを考えると、非婚化が進んでいることがわかります。また、初婚年数の平均も1950年に比べて男女ともに4歳以上進んでいることがわかります。ここでは「結婚」することがどのようなメリットがあるのか、それらを見ていくことで、晩婚化・非婚化の原因が見えてくるかもしれません
1、費用の節約
簡単に言えば、二人でバラバラにアパートを借りるよりも、同じ家に住んでしまえば、より安い家賃で生活できるという点です。自炊する場合にも、1人分だけ作るよりも効率的に食材を使うことができます。
2、分業の利益
1人で暮らすのであれば、得意であろうがなかろうが、全て自分で仕事・家事をこなさなくてはいけません。しかし、結婚することで、料理が得意であれば、2人分の料理を作ったり、選択が苦手であれば、パートナーにやってもらうことができます。
かつては、夫は外で働き、妻は専業主婦として、家事を行うなどはっきりした形で分業が行われていました。
3、リスクの分かち合い
例えば、務めていた会社が業績不振で給料が下がったり、職を失ったり、体調が原因で仕事ができなかったりするとき、独身者であれば、経済的な支えは自分の貯金しかありません。
しかし、結婚している夫婦ならば、どちらかが働いていることで、家庭全体の収入の落ち込みを踏み止めることで、リスクを分かち合うことができます。
この本では、晩婚化、非婚化が進んでいる原因として、女性にとっての結婚をするメリットが、徐々に減ってきている事にあるのでは?分析しています。
中でも「分業の利益」が大きいのは、夫と妻の得意・苦手分野が大きく異なる場合によりメリットになり得ます。しかし、今日、収入面における男女の格差が少なくなってきており、家事に関しては家電や家事サービスの発展によって、自分たちで行う家事が減ってきていることも挙げられます。
このようにして従来のように「分業の利益」が減ってきて結婚のメリットが減ってきていることが、晩婚化・非婚化の要因の一つに挙がってくるのではないでしょうか?
帝王切開は子供にとってリスクなのか
近年、帝王切開での出産の割合は、世界中で増えてきています。2015年の調査では約28%の出産が帝王切開にて行われています。
この本では、帝王切開による出産が必要以上に増えている疑いについても触れているのですが、これまで、救えなかった命を救えるようになったことは確かです。
この本では、帝王切開で生まれてくる子どもについては、肺や呼吸器の問題を抱えたり、免疫発達に問題が生じ、アレルギーや喘息を患いやすくなるという研究データはありますが、一方で、注意欠陥・多動性障害や自閉症との関係はないものと考えられています。
しかし、一般的に言って、帝王切開を行う場合には、そうでない場合と比べて、お母さんと胎児の健康状態が悪い可能性があるので、そのような原因で子どもの健康上の問題が生じやすくなることが考えられています。
帝王切開による出産において、様々な健康上の問題がある研究がなされていますが、十分に確証がある結果だけではなく、一概に帝王切開だけが原因で起こっている健康上の問題と言い切れるものでもありません。また、帝王切開による出産は医学上の必要があって行われている物が多いので、救える命を救う手術でもあるのです。
なので、決して帝王切開を行ったお母さん、子ども批判するようなことはあってはなりませんし、生まれた子どもに問題のあるということは研究で否定されているので、そうした偏見はあってはならないとこの本では言っていますし、自分もそう思います。
母乳育児の「真実」と「神話」
「赤ちゃんには母乳が一番である」という認識は専門家に限らず、一般的にも信じられていることかもしれません。
しかし、今日、メディアやネット上ではこうしたお母さんの不安に漬け込んで商売をするような人もいますし、不衛生な「母乳」をネット通販する業者の存在もあります。
この本では、「母乳育児」に対して、間違った情報に惑わされずに、お母さんが自分自身にとって最も望ましい選択ができるように、科学的知識を紹介しています。
結果だけでいうと、母乳育児は、生後1年以内の子どもの健康に寄与し、感染性胃腸炎とアトピー性湿疹にかかる割合の減少、乳児突然死症候群の減少にも関わっていることが示されています。
一方で、母乳保育による長期的な効用(6歳、11歳半、16歳)については否定的な結果があり、子どもの肥満、アレルギー、喘息、虫歯、問題行動、知能発達に対する効用に関しては信憑性に疑問が呈されています。
母乳育児がもたらす、健康によるメリットはわかりました、では、その母乳育児を阻む壁とは何なのか?その最大の障害は、その手間であるとこの本では言っています。特に働きながら子どもを育てるお母さんたちにとって、働く時間や就業そのものを犠牲にすることもあります。
それを解消するために有効なのが、一般的に知られている育児休業制度です。この制度により雇用の保障、所得の保障がなされているために働きながら子育てをするお母さんたちにとっては安心して、母乳育児を選択するのを後押ししてくれます。
また、夫の会社にフレックスタイム制がある場合には 、お母さんの母乳育児の実施率が上がり、母乳育児の期間も長くなる傾向があることもわかっています。
そして、一番尊重されるべきは、お母さん個人の選択であって、過剰なプレッシャーや罪悪感を持つ必要はないし、そうしたものを煽るような言動は行き過ぎなような気がします。
以上が前半の気づきでした!!!
「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)
- 作者: 山口慎太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2019/07/17
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