人生100年時代の恩恵は受けられるか!? LIFE SHIFT ⑥
どーもまつまつです!!!
今日の本の紹介は
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット氏の
LIFE SHIFT 第6弾です!!!
この本はAmazonの2017年のビジネス書大賞も受賞しており、世界的にも数多く読まれている本です。
まつまつも遅ればせながらこの本を手にして読んでみたのですが・・・
序章から衝撃的な内容が!!!
「人生100年時代」がいずれ来ることは薄々感じていたことなのですが、その影響が仕事や今後の貯蓄にも影響してくるとは!!!
長生きをすることは良い面も悪い面もあり、それに早くに気づき、行動を起こして行けることはこれからの人生を本当に左右することだなと思いました!
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目次
本の構成
この本の構成は以下の通りになっています。
序章 100年ライフ 第1章 長い生涯 第2章 過去の資金計画
第3章 雇用の未来 第4章 見えない資産
第5章 新しいシナリオ 第6章 新しいステージ
第7章 新しいお金の考え方 第8章 新しい時間の使い方
第9章 未来の人間関係 終章 変革への課題
この本を読んでいて気づくこと・まとめたいことが多すぎるので、いくつかの章に分けてこの本の紹介をさせてもらおうと思います。
第8章 新しい時間の使い方
時間はその性質上、万人に平等で、稀少な資源です。しかし、ほとんどの人が時間が足りないと言っています。これまでの人生70年の計算では、合計61万1000時間を有することになっており、100際まで生きれば、合計87万3000時間有することになっています。この章では、それを労働の時間に使うのか、余暇の時間に使うのかなどが述べられています。
時間は社会が決めている!?
時間の使い方を考えるときに、自分たちは時間は自分の力でコントロールできるものと考えがちですが、時間に関する概念は社会が決めていることが多いと言われています。
歴史的に紐解いていくと、労働時間は50年、100年前に比べて短くなってきています。産業革命時代には1日に10〜16時間、週に6回働くことが標準的でした。1920年にアメリカ人の平均労働時間が週50時間であり、2005年には、それが37時間まで減っています。
労働時間は減っても「時間貧乏」?
経済学者のジョン・メイナード・ケインズ氏は、自身のエッセーで、経済的に豊かになれば余暇時間が増え、そうした自由の時間をどのように使うかが人類の大きな課題になると言っています。
しかし。この予想は半分当たって、半分当たらないことになります。確かに、経済が豊かになり、労働時間が減り、余暇時間を増やすことができるようにあったかもしれませんが、人々はこの余暇の時間で、大量のものを「消費」するようになり、その購入費用を得るために、長時間働かなくてはいけなくなり、急激には労働時間は減りませんでした。それが先ほど述べた「時間貧乏」につながることであると思います。
また、この100年で低スキル層の労働時間と、こうスキル層の労働時間が、逆転するという現象が起きています。1979年のアメリカで富裕層が週50時間労働している割合が15%であったのに対して、2006年には27%に上昇しています。一方、貧困層の週50時間以上働いている割合が、22%であったのに対して、2006年には13%まで減少しています。
この現象の説明としては「代替効果」で説明されています。それは、賃金が上昇すると、余暇の(働かないことの)コストが高まるとされています。労働時間を減らすということは、減った労働時間分の所得が減るという考えになるのです。なので、高所得の人ほど、余暇のコストが高くなるというのです。そのために高所得者は長時間働くことを選択するというのです。
余暇時間と空き時間
人々が時間貧乏だと感じる理由は他にもあります。それは労働時間が減ること=余暇時間が増えるとは限らないからです。1日の労働時間が8時間であったとしても、それ以外に通勤時間などに2時間かけているかもしれませんし、家事や雑用をしたり、宿題をしたりする時間は、余暇時間には入らないと考えられます。
余暇時間を考えるときに、その時間に行う活動がどの程度楽しく感じるかで決まってきます。ある調査によれば、人々がときに楽しいと感じる活動の上位を占めるのは、セックス、スポーツ、釣り、アートと音楽、社交、子どもとの遊びなどが上がります。一方、下位には、仕事、赤ちゃんの世話、宿題、副業、料理と家事、子どもの世話、通勤などが挙がります。
では現在人々はどれくらい余暇時間を持っているのかというと、ある研究によると、1900年には週30時間だったのが、1980年代まで上昇し、45時間になりましたが、その後減少し、2000年には40時間に逆戻りしたとの結果もありますが、1965年から2003年にかけて余暇時間は増えているという研究結果もあります。それでもなお時間貧乏に感じるのはなぜか?それは「空き時間」がないからだと筆者は言っています。
自由に使える時間が足りないからではなく「空き時間」が足りないのです。人々は空いた時間を様々な選択を重ねてスクジュールを立てて、自由に使える時間を埋めていく結果、空いた時間がなくなってしまうのです。
これからの時間配分
現在多くの人は1日8時間働いて週2日休む日々を送っているかもしれません。しかし、筆者はそうした時間配分を見直すべき時に来ていると言っています。
現状の1日7時間の労働時間を考えるとこれ以上減らすことは好ましくないかもしれません。また、仕事をするにはその前後の通勤時間、朝の支度時間、帰宅後に仕事モードから家庭モードに切り替えるための時間などの時間の「固定費」がいります。
そうすると、1日の労働時間を減らすより、休日を増やし、勤務日の労働時間を長くする方が賢明かもしれません。
これから長寿化が進むと、朝9時から5時まで週5日間働き歳を迎えるということは、生産性資産と活力資産を維持することは困難に思われます。
個人と企業の衝突
これからは個人が新しいスキルを習得したり、活力を取り戻すための時間を勤労人生に取り入れる動きが活発化する過程で、全員を同じスケジュールで働かせたい企業としては、個人のニーズと企業のニーズの間で激しい衝突が起こるでしょう。
1週間の構成の仕方には色々なパターンがあり得ます。1日の労働時間を短くしたり、夜の時間を長く取ったり、週休3日制もあります。
高スキルには5.0シナリオが理にかなう?
高スキルを持つ人たちは、常に長時間の過酷な労働が要求されます。そして、その状況が続くと、60年以上続く勤労のステージのなかで燃え尽きてしまう可能性もあります。こういった職種の人ほど、5.0シナリオを歩むことが理にかなっているいえます。
このタイプの人が健康な100年ライフを生きるために家族や活力に投資するためには、週末を長くするだけでなく、もっと集中的にスキルの再習得に取り組めるように、本格的な移行期間を設ける必要が出てきます。この時期に、無形の資産を築くことに専念するのです。
新しい余暇の過ごし方
100年ライフでは、家族と友人、スキルと知識、健康と活力などの無形の資産を充実させることの重要性が高まり、そのための投資が必要になります。ではもし、週休3日制が導入されれば、無形の資産に投資する時間とゆとりは増えますが、それだけで必要とされる投資はできるのでしょうか?
産業革命以降、余暇時間が増えるにつれ、レジャー産業が成長しました。コンサートホールや映画館などの新しい形態の娯楽ビジネスが生まれました。そこに、自由に使える時間を費やすことはもはや、時間を使いというより、時間を消費しているといっても過言ではありません。
これからh寿命が伸び、無形の資産への投資が多く求められるようになれば、余暇時間に時間を消費するのではなく、無形の資産に時間を投資するケースが増えていくだろうと筆者は予想しています。レクリエーション(娯楽)ではなく、リ・クリエーション(再創造)に時間を使うようになるのです。このことにより今後は、個人レベルでの自己改善への投資活動に力を入れるレジャー産業が発展するかもしれません。
まとめ
長寿化が進み、産業の生産性が上がることで、労働時間とは別の自由に使える時間は 増えました。しかし、そんな中でも「時間がない」という人が多いのが現状です。
それは、なぜなのか?(予定をつめすぎて、空いた時間がないなど)、そして、これからの時代に無形の資産への投資が重要になっていく中、従来の週休2日制で、そのような資産を築いていくことは可能なのか?
企業にとっても、これからは個人が柔軟性を持って、自由に時間を使って労働を主張する時代が来ることが予想される中で、企業側の考え方と主張が衝突しかねないこと。
今までは、余暇時間をレクリエーション(娯楽)に費やすことが多く、それに関連するレジャー産業が発展してきましたが、これからは無形の資産に投資する時間、リ・クリエーション(再創造)を後押しするようなレジャー産業が発展していくのではと筆者は言っています。