認知行動療法①
どーもまつまつです!!!
今日の記事は久々に学術的な記事ということで
最近自身でも興味のある認知行動療法についてまとめていきたいとも思います。
少しハードルを下げる意味でも大体1日でインプットした分をアウトプットしていき細かく更新していければと思っています!!!
目次はこちら
認知行動療法との出会い
自分が認知行動療法と出会ったのは、この「最高の休息法」がきっかけです。
今まで「瞑想」と聞くとどこか精神論的な意味合いで捉えていたのですが、この本を読んで、認知行動療法は今世界的にも注目されていて、この中のマインドフルネスは多くの方が実践しており、しかも、脳科学的にも脳に変化を与えることができるエビデンスもどんどん研究されているとのことなのです。
それを知って、自分もここで紹介されている、呼吸法や思考法、怒りのコントロールを今も実践中であり、自分が変わることも感じられたので、もっとここで紹介されている認知行動療法を深く学び、自身のストレスのコントロールや、周りの人へも紹介できたらと思い、いくつかの本を手にとってみました!!!
今回は第1弾ということで、本当に基礎的な概念的なところを紹介できればと思います。
ここで参照している本は以下の2冊が主です。
では早速行ってみましょう!!!
認知行動療法とは
認知行動療法とは、認知と行動を変えることで、つらい感情を軽減する心理療法と呼ばれています。
認知と行動・感情の関係
そもそも「認知」と「行動・感情」はどのような関係性にあるのか、それは例えば、何か嫌な出来事があった時、たとえ同じ状況であったとしても、人によって、怒る感情や行動は違ってきます。それは、人それぞれ、その時々で「認知」が変わってくるからなのです。
つまり、つらい感情を引き起こすのは、出来事や状況そのものではなく、頭の中にある認知というフィルターが引き起こしているのです。
例えば、上司に何か注意された時・・・
1、次は注意されないように仕事を見直そう(現実的な問題解決へ)
2、そんなに怒ることないじゃないか!!(怒り)
3、そもそもこんなことできるはずないじゃないか!(不満、意欲の低下)
4、どうしてこんなにも私はできないのだろう(落ち込み、自責の念)
などというようにたとえ同じ状況であっても、人やその時の気分などで「認知」が変わることで、感情や行動が変わってくることがわかります。
非適応認知から適応的認知へ変える
そこで、認知行動療法の目的は、思考を、非適応的認知(客観性のない思い込み)から適応的認知(そう考える客観的根拠がある)へ変えていくことです。
ポイントは「客観的な根拠があるかどうか」です。
例えば仕事で失敗をしてしまった時、「何をやってもうまくいかない」と決めつけてしまうことは簡単ですが、大切なのはその「認知」に客観性があるかどうかです。
もしその考えが、本当であるならば、現実的に考えて、全ての場面で失敗することの方が難しいとわかります。そこから「たまには失敗するが、うまくできることもある」というように「認知」していくことができれば、つらい感情に悩まされることも少なくなるはずです。
ポジティブシンキングとの違い
よくこの「適応的認知」と比較されるのが「ポジティブシンキング」です。
この2つのものの違いは「客観性があるかどうか」です。
適応的認知が「客観的な根拠を求める」の対し、ポジティブシンキングは「主観的であり、自分の都合が優先される」ことになります。
認知とは
ではここで取り扱われている「認知」とはどういうものなのか、まとめていきます。
階層的認知モデル
認知は「階層性認知モデル」で説明することができ、思考の表層にある「自動思考」とより深層にある「スキーマ」に分けることができます。
「自動思考」の根本となるのが、「スキーマ」であり、自動思考は、その時の気分、体調に影響を受けます。
認知行動療法では、まずは「自動思考」を変えるところから始まり、その後より深層である「スキーマ」を変えていく順でアプローチしていきます。
行動とは
認知行動療法では、行動そのものに、つらい感情を変えることがあるため、認知が妥当なものであるかどうか、行動で確かめることも大切であるとしています。
従来の心理療法との違い
認知行動療法は従来の「精神分析」を中心とするような心理療法ではなく、「論理療法」や「認知療法」、「行動療法」がより高い効果を求めて、組み合わされた、治療法であり、以下の特徴があります。
1、深層心理やトラウマを追及しない
従来の心理療法、精神分析では、深層心理を探ることが治療の中心でした。しかし、認知行動療法では、過去の問題より、現在に焦点を当てています。
2、問題を明確化し、1つに絞って取り組む
精神分析の進め方は、患者さんが好きなように話せる一方で、治療が長期化して数年にも及ぶという問題点もありました。一方認知行動療法では、1回のセラピーごとに、どのテーマを話し合うかを明確にしているので、短期間で効率よく、問題を解決することができます。
3、セラピストが積極的に発言する
心理療法では、セラピストは聞き役に徹していました。一方認知行動療法では、セラリストが患者さんに積極的にアドバイスをする関わり方をします。
4、ホームワークを重視する
面接と面接の間に、ホームワークが課されるのも、認知行動療法の特徴の一つです。特に、治療室ではできない現実場面での行動の変化をホームワークとすることがよくあります。
5、効果を裏付けるエビデンスが豊富
心理療法は、治療者の経験を頼りにおこなわれることも多く、効果が十分に検証されているとは言えませんでした。一方、認知行動療法では、効果を検証する多数の研究がおこなわれています。その結果、うつ病などの心の病気に、薬物療法と同等以上の効果が実証されています。
行動・認知へのアプローチ法
行動療法は、心理学の学習理論に基づいて、発展してきた治療法であるため、治療法のバリエーションは様々です。一方、認知へのアプローチ法は、行動療法より後に考案された治療法で、そのルーツは「論理療法」と「認知療法」になります。
行動へのアプローチ法
エクスプロージャー法
苦手な対象に徐々に慣らし、不安感、恐怖感を減らす方法。
心理学で古くから研究されている「慣れ」の原理を利用した方法で、パニック症や恐怖症をはじめとする不安障害などの治療で、認知を変える治療法と合わせて、よくおこなわれます。
リラクセーション法
体の緊張を解き、緊張感や不安感を和らげる方法。
筋肉の緊張を緩める「漸進的筋弛緩法」や自律神経系の興奮をおさえる「自律訓練法」などがあり、体だをリラックス状態に導くことにより、心の緊張や不安も軽減することができます。
呼吸法
ゆったりした腹式呼吸で、心身をリラックスさせる。
漸進的筋弛緩法や自律訓練法と並ぶ、代表的なリラクゼーション法で、不安障害などの治療に取り入れられています。特に息を吐くときは、体がリラックス状態になりやすいため、吸う時間よりも吐く時間を長くするのがポイントです。
バイオフィードバック法
自律神経系の身体反応を自分でコントロールする方法。
生理的反応の変化を機械を使って確認しながら、反応を自分でコントロールする治療法です。
認知へのアプローチ法
認知へのアプローチでは、不適切な認知を、状況に合った適切な認知に変えていくことを、「認知的再体制化」というプロセスでアプローチします。
エリスの論理療法
エリス博士は、つらい感情を生み出す歪んだ認知を「不合理な信念」と名付け、それに反論する論駁によって、感情を適切なものに変えていく方法です。
ベック博士が困難した方法で、うつ病に特徴的な歪んだ認知を3つに分類「自動思考」「推論の誤り」「抑うつスキーマ」し、認知と感情のパターンを説明しています。
メンタルヘルスの予防にもなる
認知行動療法は実際に病気の治療だけでなく、その予防にも役立つ治療法です。認知の歪みを改善することで、病気未満の心のつらさの改善や、ストレスマネジメントにも役立てることができます。
特に対人ストレスの多い教師や看護師、管理職の方達にも幅広く活用できる分野なのです。
以上がまずは総論的な感じでまとめた「認知行動療法」です。次は治療の流れや、アセスメントについてまとめてみようと思います!!!