経済は感情で動く①
どーもまつまつです。
今日の本の紹介は
マッテオ・モッテルリーニ氏の
経済は感情で動く
- 作者: マッテオ・モッテルリーニ,泉典子
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/04/20
- メディア: 単行本
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です!!!
経済学の本を読んでみようと思って様々な本の紹介のサイトやブログを読んでみたのですが、紹介されている記事やタイトルに惹かれてこの本を手に取りました。
人間は経済学のように非常に合理的動くのではなく、その時の感情によって同じ金額であっても貨幣価値が違ってくることが多々ある。
そのことをこの本では様々な質問・問いを通して考えさせてくれる本です。
内容としてはとても多く、初めて読む分野の本でもあるので、パート別に3回に分けて紹介したいと思います。
まずはパート1の日常的な非合理での気づいた点です。
・三つあると真ん中を選ぶ
・自分のものになると値が上がる
・100万円得した喜びより、100万円損したショックの方が大きい
・三つあると真ん中を選ぶ
物を選ぶ際に迷った時に、「合理性」的な選択に反する現象として、「端っこ嫌い」という現象があります。
そのの現象とはプラスなことにせよマイナスなことにせよ飛び抜けた性格を持つ選択肢を加えると「中間」の性格を持つ選択肢が選ばれる確率が高まる、というものです。
ある実験があります。
あるグループの人に、デジタルカメラを買ってもらいたい。モデルは2つあり、初めは38000円で、2つ目は76000円である。どちらもブランドは同じで、価格はどちらも妥当である。
この時実験に参加した人たちは、結果として、2つのモデルを選んだ割合は差がなく、どちらも50%だった。
次に別のグループには同じ2つのモデルの他に128000円のモデルが同時に示されました。
ここで予想されるのはある一定、最高額のモデルを選んだ人がいたにせよ、それ以外の人ははじめの2つのモデルに公平に分布するはずです。
しかし、2つの選択肢の中にもう一つ高いクラスのものが現れると、大方の人が真ん中のモデルを選んだのです。一番安いモデルを選んだ人は25%に減りました。
この方法はレストランでのワインのメニューを作る際にも応用されていて、ワインのリストに高価な特級品を加えると、お客は安いワインより中の上くらいのレベルの品を選びたくなってしまうとこの本では言っています。
このように選択肢が増えると真ん中を選びたくなるのは、それが一番だと思わせるちょうどいい理由を見つけた気がするからだとこの本では言っています。
他にも選択肢が1つから2つになり、3つになり、さらに選択肢が増えるほどその迷いは深くなってしまい、はじめ買おうと思っていたものを買わずに帰ってしまう現象なども経験したことはないでしょうか?
・自分のものになると値が上がる
心理学では「保有効果」というものがあり、自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる現象で、この心理的な現象はしばしば、経済的な場面でも現れます。
ある実験で、無造作に分けられた2つのグループの一方にカップをプレゼントします。そのコップはどこにでもあるカップで、大学のロゴが入っています。
このカップを巡って2つのグループ間で競売をします。
カップを手に入れたグループはそのカップをいくらなら売れるかを考え、もう一方のグループにはそのカップをいくらなら買うかを考えます。
その結果、カップを所有するグループは5、25ドル以下では売ろうとしないという結果になり、カップを持たないグループは2、75ドル以上では買おうとしないという結果になりました。
この現象は、東洋の絨毯売りや車のディーラーの間ではよく知られており、この効果をうまく利用しています。例えば、車のディーラーの方は、新車を買おうとする人の多くが、新車の値引きへの関心より、「それまで乗っていた(現在所有している)車を高い値段で引き取らせる」ことに躍起になることに目をつけます。
このように「保有効果」で自分が手に入れたものには高い価値をつけるという「合理性」とはかけ離れたことがしばしば起こります。
・100万円得した喜びより、100万円損したショックの方が大きい
ここで挙げられているのは、「一般人」の選択を特色づける、認知上の特性を紹介しています。
普通の人間の感覚器官は、絶対的な数値を測るというより、むしろ変化や差異を捉えるようにできているというところに目をつけています。
例えば、水の温度は同じでも、それまで寒いところに置かれていたなら「熱い」と感じ、逆に熱いところに置かれていたなら「冷たい」と感じます。それは色の明るさでも起こることです。
ここで、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーは、この人間の感覚器官で起こる原則が、富や名声や健康といった、感覚器官の関係のないところにも当てはまる直感しました。判断の結果を測るのに、絶対的で抽象的な観念で測るのではなく、基準になるレベルとどれほど違うのかを見ようとすることです。
ここで2人はプロスペクトロ理論というものを提唱して、ノーベル経済学賞を獲得しています。
この理論は利益・損失を横軸、価値を縦軸で考えた時、普通「ホモ・エコノミクス」であれば、完璧な右肩上がりの直線になるはずですが、利得の場面では危険を回避する傾向で(確実性を好む)、損失の場面では危険を追求する傾向(賭けを好む)にあり、利得・損失が少ない場合であれば変化に対して敏感で、大きくなると鈍くなります。また、同額であれば、利得獲得よ流満足度より、損失負担による悔しさの方が大きい(損失回避性)のです。
上のがそのグラフです。
いかに経済学的に考えてみて「合理的でない」ことを表していると思います。
以上が「経済は感情で動く」のパート1日常的な非合理を読んでみての気づいた点です。
今まで、経済学に関してはほとんど無知だったので、この本を手に取りましたが、本のタイトル通り「経済は感情」で動くことが載っている本ですね
こう思うと経済というものは感情に左右され、一人一人が合理的な判断をしていくためには上で書いたことのようなことが日常的に起こっているのだと頭に入れておくかとが大事だと思いました。
続きはパート2で紹介したいと思います。