シーティングについて①
どーもまつまつです。
今日は初めて学術的なことを記事にしようと思います。
みなさん「シーティング」という言葉を聞いたことがありますか?
医療・介護分野で働かれている方はほとんどの方が耳にしたことがあるかもしれませんが
文字の通り、椅子や車椅子に座る方に対してその座位姿勢を評価し、様々な方法を用いてより良い座位姿勢(目的は後ほど述べます)をとってもらおうというものです。
シーティングの目的としては1985年にLetts氏により
「安楽、機能性、生理的、実用性、移動、外観」を挙げ、廣瀬氏はこれらに加え「介護」を挙げています。
では実際の評価法をいくつか紹介します
- Hofferの座位能力分類(JSSC版)
車椅子上ではなく、プラットホーム上である。足が床につく高さで、しっかりとした座面上に座った状態を評価する。脊髄損傷者などの特定の障害などは現在対象外
座位能力1:手の支持なしで座位可能(端座位にて手の支持なしで30秒間座位保持が可能な状態)
座位能力2:手の支持で座位可能(体を支えるために、両手または片手で座面を支持して30秒間座位保持可能な状態)
座位能力3:座位不能(両手または片手で座面を支持しても、保持できず、倒れて行く状態)
評価のポイントは対象者の状況のみで評価し、介助者の有無や周辺環境の様子は考慮しない、前面は前額面から、側方は矢状面から評価する。日内変動や短時間で変動があるときは低い方の評価を採用する。
- マット評価
プラットホーム上で臥位と座位でそれぞれ、座位姿勢となる股関節、膝関節90°の姿位を取り、特に臥位は重力を除去した姿勢になり、通常では重力に潰れた姿勢になりがちな状態を改善させる目安になる。また、股関節、膝関節、足関節が車椅子の座・背角、座・下腿または足部位置、そして足部と下腿角度と関係する。また、同時に骨盤脊柱の位置の把握と制御の重要性を知ることが出来る。
- 簡易車椅子座位能力分類
座位に問題なし:座位姿勢が安定し両手が自由に使える。また、自力で姿勢を変えることができる。
座位に問題あり:姿勢が次第に崩れ、手で身体を支える状態。または自分で姿勢を変えることができない状態。
座位がとれない:車椅子に座った段階で身体に痛み等の不具合が生じ、頭部や体幹がすぐに倒れてしまう状態。
つまり
・対象患者様の純粋な座位を保持する能力
・そもそもの姿勢の可変性を評価
・座位姿勢を自力で直すことができるか
を評価していくことでその方のより良い座位姿勢を模索していくものであると考えています。
やはり身体に障害が起こると、普段何気なくとっていた座位姿勢が苦痛になったり、やはり車椅子は移動をする機能を備えているものであり、その分「安楽に座る」という機能も疎かにできなかったり
一つその方の生活を考えた時、理学療法士としては動作や運動を中心に見ることが多いと思いますが、こういった「その方にあった座位」を見ることも重要ではないかと思います。
また次回では座位を取ることで起こりうる「褥瘡」についてリスクやガイドラインを踏まえてまとめられればと思います。
基本的に学術的なまとめはJ-stageで公開されている文献を中心にまとめていこうと思っています。
<引用・参考文献>
※初めてこのような学術的な記事を書かせていただいたため、間違っている点や、引用、記載に不備があるかもしれません。もし、そのような点がございましたら、コメント等にてご指摘いただければ幸いです。